2018年アントニオ・マリン・モンテロ杯で見事優勝。21世紀の名工列伝に実力で名を連ねたフランシスコ・ムニョス(紹介記事)。
栄冠に輝いたこの出展ギターはハカランダでもなく、ローズウッドでもなく、黒檀製でした。今回、この同じ総黒檀クラシックギター(弦長650㎜)をご紹介します。総黒檀とは、勿論、側面板&裏板(表面板ドイツ松)のことです。※現在在庫在り。140万円(消費税&送料込み)。
氏は受賞したこの総黒檀製ギターをHomenaje(オメナッヘ)と命名しました。”敬愛”と言うスペイン語で、アントニオ・マリン・モンテロ氏への敬愛を意味します。※工房が近いこともあり、マリン氏もムニョス氏の才能を見出し、常に目をかけていましたが、師弟関係はありません。
黒檀は比重が非常に重く、水に沈みます。通常、ギターの指板に使われますが、非常に密で堅く、まず、曲げて側面板にする事が困難で、造るにしても、曲げる際に黒檀の板を何枚か割ることになってしまい、手間暇原価が掛かり、普通、製作家は黒檀のボディーのギターを造る発想さえありません。しかし、フランシスコ・ムニョス氏はこれに挑み、完成し、同杯を獲得しました。
因みに、総黒檀ギター(側面板&裏板)は、all ebony classic guitar(総黒檀クラシックギター)で検索しますと、黒檀の固形ボディで空洞の無いエレキギターは存在しますが、側面板&裏板が黒檀のクラシックギター&フラメンコギターは存在せず、アクスティックギターにそれらしきものが見えますが、説明を良く見ると、総て黒檀色(エボニーカラー)の黒に染めたものです。
即ち、純然たる総黒檀クラシックギター(側面板&裏板)は過去にも現在にも散発的には在った(在る)ことでしょうが、日本では今治のセファルディがご紹介するムニョス氏のこのHomenaje(オメナッヘ)モデルだけです。
また、知り合いの日本人アマチュア製作家によれば、現在、指板用の黒檀を注文しても、中々良いものが手に入らないとのことです。つまり、黒檀は世界的に不足高騰しており、その意味でも、氏のこの総黒檀クラシックギター"オメナッヘ"は類稀です。
折からのウクライナ戦争による木材の世界的高騰、及び、痛い程の超円安により、140万円(消費税&送料込み)でご紹介させて頂きます。
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