①良いギターとは
良いギターとは、簡潔に、良く鳴るギターと要約出来るでしょう。鳴らないギターでは自分の思った様に音が出てくれず、やる気を削がれ、ましてや、音楽表現どころではありません。逆に、良く鳴るギターは自ずと弾き手をその気にさせてくれ、上達を促します。
従って、最初から良い楽器を持った方が上達すると言うのは、楽器商のセールス文句である反面、真理を突いています。やはり、ある程度以上の楽器は上達の必要条件です。ギター奏者は他のギター奏者にも、そして、良いギターにも刺激を受けて上達して行く事実は私自身の実感でもあります。
そして、誰でも同じ代金を払うなら、より良いギターを求めたいと思うのは当然です。一般的には、より高価である程、より良いギターだと言って宜しいでしょう。そのギター料金の相違と是非は別項で述べますが、ここでは普及モデル(量産ギター)から高級手工品に至る、総てのギターの規範たるべき、この掴み所のない良いギター、特に良いスペインギターの観点から、セファルディ流定義を試みてみます。読者の皆さん、掴んで下さい。