クラシックかフラメンコギターか
まず、クラシックギターかフラメンコギターかお選び下さい。そのためにも、今一度、両者の定義について考えてみましょう。
クラシックギターと言えば、眠くなる様なクラシック音楽しか弾いてはいけない、お堅い楽器だとの印象を聞く人に与えていると思いますが、読者は如何でしょう? 人生、少なからぬ物事が第一印象で決まってしまうとすれば、私は常々、この名称が第一印象となって、クラシックギターの普及を妨げていると思っています。誰がいつ頃命名したかは知りませんが、クラシックギターのクラシックとは、必ずしも、クラシック音楽のクラシックではなく、伝統的な、クラシカルな、そして、フォークやエレキの様に比較的新しいギターではなく、昔からあるギターだから、クラシックギターと呼ぶのだと、私は解釈しています。ピアノが昔からある、伝統的な、クラシカルな楽器であると同じです。そのピアノでクラシック音楽しか弾いてはいけない規則はない様に、21世紀のクラシックギターでも、ピアノ同様、現代音楽、映画音楽、ポピュラー、民謡、歌謡曲など、何でも弾いて良いのです。
バッハの曲なら、重厚な音の、いわゆる典型的なクラシックギターでしょうが、同様に、乾いた音質が売りのフラメンコギターも、フラメンコだけしか弾いてはいけないのではなく、サンバやボサノバなど、軽快なノリの音楽にはむしろ、フラメンコギターの方が魅力を発揮します。
まず、発想を柔軟にして、クラシックギターはクラシック音楽だけ、フラメンコギターもフラメンコだけではなく、基本的には何を弾いても良いのだと頭を切り替えれば、ギター選択にも幅が出て来ると同時に、好みのギターを絞り込み易くなります。
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以下、主に、肝心の音色の観点から、お好みのスペインギターをセファルディ流に絞って行きます。